APC社製UPS Smart-UPSの給電を自動停止させないコツ

今回は、APC社製UPSで、停電>復旧のときに、UPSのバッテリー出力が停止しないようにする為の方法を記述します。
管理ソフトであるPowerChuteシリーズは、OSのシャットダウンをする際に、UPSに一定時間後にUPSの出力を停止するよう命令を出します(仕様)。この為、電気復旧後にパソコンの電気を入れると、起動中・後にUPSが停止します。(電気が復旧していてもUPSは自動でリセットし、一旦100V出力を止めてしまいます!!!)
なお、Smart-UPSのスマートシグナルケーブルで接続した場合の話ですが、Smart-UPSは標準ではスマートシグナルケーブル専用です。

【結論から言うと、シンプルシグナルケーブル接続でやればOK】です。
UPSの給電停止をさせない現実的な方法には、AP9207またはAP9607を使用し、PCとはシンプルシグナルケーブルで接続することです。
これにより、PowerChuteはUPSに一定時間後に給電停止する命令を送らないですし、XP以降のOS標準の電源管理機能でシャットダウンができます。
また、メルコ(現バッファロー)製テラステーションを使用するときにスマートシグナルケーブル接続を行うことができますが、テラステーションではOSシャットダウン後のUPS給電停止を 行う・行わない の設定を選べます。(PowerChuteでは必ず指定した時間経過後に給電を停止する仕様だということです。)

私はSmartUPS1500にAP9207(8-port Expander)を接続して、上記のことを行っております。
スマートシグナルケーブル  テラステーションに
シンプルシグナルケーブル  PCに(PowerChuteを使用)
そして、AP9207のディップスイッチの3番を 1(上) にする必要があります。でないと、OSシャットダウン後は自動的に(給電が再開されていても)、今度はAP9207がUPSに給電停止命令を送ってしまいます。
なので、私は0010(ディップスイッチを 下下上下)にしております。



以下、詳細です。

APC社製のUPSに、業務用途・向きのSAMRT-UPSシリーズがあります。
スマートケーブルでUPSとパソコンを接続し(シンプルでは無い方で、UPSの情報を取得できるタイプ)
また多くの場合、Power Chuteを使用されていることと思います。

以下のように停電テストをした事があると思います。
  コンセントを抜く
  OSの自動シャットダウンが開始する
  自動シャットダウンしたので、コンセントを再び差し込む(元に戻す)

ですが、この後にUPSの出力が一旦停止しませんでしたか?
リセットのようになったり、UPSのスイッチがOFFにされたように・・・

これは、PowerChute (PLUS、Business共に)の仕様です!!!
PowerChuteのシャットダウンシーケンスの設定で、OSのシャットダウン時間の右側にある、時間のことです。
仕組み・仕様は、PowerChuteはOSのシャットダウンを行う際に、UPSに指定時間後にUPSの出力を停止するように命令を送ります。しかも、[UPSへの停止信号を送らない】という選択肢は仕様上ありません。(APC JAPANに問い合わせ済)

ではどうするかというと、回避方法は先に示したとおり、AP9207又はAP9607を使用する方法です。
もちろん、ディップスイッチの 3を上 にし、0010に設定するのを忘れないで下さい。

UPSの給電を一旦止めてしまうのは、シャットダウン後のPCをリブートさせるための仕様です。
これらSmart-UPSシリーズは、人のいないサーバールームや、OSシャットダウン後に自動でPCを起動させる必要がある、というのを前提にしているからです。
もちろんPCは100Vの電気が 無い状態 > 通電 したら自動で起動するよう設定されていることが前提です。
また、この仕様を使うのであれば、PCと連動してシャットダウンできない周辺機器は別のUPSに接続した方がよいでしょう。一度電源がいきないり落ちますので。

もしUPSの給電が何故か勝手に落ちる、リセットする、UPSのスイッチが切れる、とお悩みの方がいましたら、シンプルシグナルケーブル接続の上記方法を考えてください。

特に、オフィスで人がいる環境で使用すると、OSシャットダウン後に手動でスイッチを入れてから、いきなりUPSの給電が停止し、自動シャットダウンの意味が無くなってしまうという笑えない話になります。

私はこの仕様に気付くまで、10回ほど停電をPCに体験させてしまいました(笑)