3歳の子の視点でみると、フィリピンは普段どんな生活なのか?


3歳の子の視点でみると、普段どんな生活なのか?


目的:
  • 日本とフィリピンとで子供の精神的な安定に違いをもたらす具体的な「違い」は何か?
  • 日本では、心が廃れている幼児が多い現状に際して、よい状態をキープしていると思ったフィリピンで子供から見た親、という視点で現地調査をする。

理由:

  • 日本では、公園で幼児を放置して、親はスマートフォンを見続けていているだけ、もしくは他の親と話しているだけ。 小さい公園で、幼児が「ママ来て!」とずっと叫んでいるのに一向に来ない母親。 バギー(ベビーカー)では幼児からは親が一切見えないまま。電車に乗れば親はスマホを見て、子供は親以外に何かを求めてキョロキョロ。
  • 『幼児からすれば、起きている1~4時間という中で、まさに起きている95%に母親が見えないのです。』
  • こんな状況下で、まともな人間に育つはずはないと直感しています。

 

日本と異なる点:
  • 特段異なるのは、普段の生活で、祖父から曾孫まで1つのベッドでギュッと一緒に寝る生活。(大家族で1つのテントでキャンプをするイメージ)    特に、背中・おなかを合わせて寝るというのが特に違うように感じました。
  • フィリピンでも大人はスマートフォンでビデオを見ていたりします。
  • ですが、子供と一緒の母親は子供を抱いているか、バスの中では膝に乗せていたり、ずっと肌身離さずといった感じでした。

 

  • 1~3歳児の母親の後追いの有無・程度について: 母親によく懐いていて、母親の近くでダーっと走る程度。 母親から離れる生活シーンが無い(狭い歩道でもバイク(タクシーとしてのバイク)がクラクションを鳴らしながら通るので、日本とは異なり母親から離れる状況そのものが見つかりませんでした。
  • ハイウェイからバイクで20分ほど山奥にいくと、5歳ぐらいの子供たちだけで缶蹴りのような遊びを道端でしていましたが、後追いとの関連付けはできません。
  • 次回、英語をもっと勉強して、細かいニュアンスとお願いしたいシチュエーション(と調べさせてもらいたい必要性)を伝えることが目標です。
日本で適用できるものがあるか:
  • 家族で一緒に『1つの布団』で寝る、といったことをしてみる。(キャンプだと思って)
  • 子供が幼児であれば、すぐにでも実行可能。(日本では8人で寝るまではいかないと思うので、寝返りなどで幼児の上に乗ってしまわないように、という注意は必要)
直感的に:
  • 特別・特殊なことはなく、細かく知ってみれば『そりゃ、すこやかに育つよ』という生活を送っていました。
  • 日本でも、子供も大人もキャンプとなれば『娯楽施設が無い』にも関わらずワクラクするというのも、フィリピンの家での生活は魅了するものがあると思いました。
  • ちなみに、引退したら南の島でゆっくり過ごす・・・というのを既にしているので、働く意欲は食事+ある程度、という程度のようで家族を大切にする文化が残ったままという違いも日本と異なるように思います。

インタビュー方法について:
  • 初めての滞在で宿泊はできなかったので、昼に自宅を案内して頂いての内容です。 なので、夜寝るときについては、インタビューのときに10人家族なのにベッドが1つ。では、どのように寝ているの?と質問した答えを用いています。 他の家も同様で、建物の大きさと住んでいる人数からすると、1つのベッドにギュッと寝ていて、床に麻を敷いて寝たり、という話でした。
  • 実際に、自宅を見せてもらいました。  平日お昼。奥さんとお子さん以外は仕事に出ていましたが、10人家族で住んでいます。

 

  • 子供は普段、お母さんと一緒の家にいる。買い物も一緒  買い物に行くときは3輪バイクにお母さんの膝に乗っていく。
  • オモチャは無い。  お母さんを見る。お母さんも私を見る。    特段、クスグリは無い。(クスグリをすると生きていることへの安心感の強化に直接的につながる)
  • バギー(ベビーカー)を買うお金は誰も持っていないので、抱っこのみ。
  • 一方で、おんぶ・肩車は見かけなかった。
  • 食事:朝と夜は10人みんなで食べる
  • 風呂:水浴びを数人で一緒にする (気候のせいなのか、タオルで拭くという習慣は無いようでした。洗濯物には手ぬぐい程度のサイズのタオルしかない)
  • 寝るとき:8人で1つのベッドにギュッと詰まって寝る。
  • 仲の良い親戚と一緒にキャンプへ行くことになり、大きいテントを買ったが、テントなので寝る場所は1か所なのでギュッと詰まって雑魚寝。朝起きたら火を焚いてみんなで食事夜も火を焚いてみんなで食事お風呂もみんなで水浴び食料はお母さんの膝にのってお店に行く。
  • これは、日本でもキャンプをすると子供が成長し、家族の仲が良くなる、というキャンプっていいよね!というような認識と合致します。(正確には表現できませんが・・・)
  • 大学新卒の青年に話を聞いたケースでは、朝6時に起きて朝食を食べ、8時に学校に付き、帰ったら勉強して6時には夕食を食べ、7時に寝る。朝ごはんを作る両親はもう少し早く起きてると思う?という質問に Yes ということでした。こんな毎日を胎児から大学生までずっとしていたということです。
  • なので、どう考えてもすこやかに育つと直感的に思いました。都市部でもフィリピンのミンダナオ島は同様の建物が一般的な家なので(高島屋より立派なデパートから20Mで、このような家が並んでいるのが普通です)

感想として:
  • ほぼ、常夏の島のキャンプ場があるとして、そこに仲の良い3家族で大きなテント1つに入ってキャンプをする、そんな生活に見えました。
  • 朝起きたら、なんとなくみんなが1か所に集まって朝食、というゆったりした時間の中で、キャンプする為に仕事をする、と考えればフィリピン人が仕事を急に休んだりといった話もスッと入ってきました。
  • トイレが便器だけ(便座を外した陶器部分だけ)、水を溜める大きなガメがあり、その水でお尻を流す、トイレを流す、水浴びに使う、洗濯に使う、という生活スタイルでした。
  • 日本国内で比較するとしたら、やはりキャンプという概念で見れば腑に落ちることが多いかと思います。 1つの大きなテントで、おじいちゃんから曾孫まで一緒に寝る、一緒に水浴びする、一緒に食べる。 建物も、キャンプするにはテントと比べれば、はるかにましです。
  • トイレも日本のキャンプ場のを思い返せば、問題はありません。
  • このようなキャンプをすれば家族の絆が強くなるというのが理解できると思います。これに似た環境で実際に生活しているのです。

物価について:
  • 教科書やパブリック校は無料です。
  • しかし、ノートは大きいメモ帳タイプが1冊40ページ程度で10ペソ(24円ぐらい) 1日の日給が300ペソ程度なのを考えると、日本人が日給8800円とすれば700円ぐらいの割合でしょうか。
  • 地元のいわゆる定食屋(カレンデリアと呼ぶ)が1食25ペソ(1750円ぐらいの割合)なのに対して、マクドナルドのハンバーガーが200ペソなのに混雑していたりと、物価に対する感覚がよくわからないシーンが多かったです。
  • お金のある人はそれなりにいて、海外で働いている子供の仕送りだったりするようです。親がフィリピン国内で稼いでいるケースもあると思いますが、実情はまだよくわかりませんでした。
  • ただ、お金があっても家はボロのまま、というのもあるようなので、お金のかけ方が日本と根本的に違うようです。
  • 周りがボロ家ばかりなので、相当お金が溜まったら建て替える程度なのかもしれません。経済成長率が高い状態を維持しているので、これからは個人宅の建て替えも増えると思います。(とはいっても、もう3世代は後ぐらい)
  • ただ、外食関係の仕事で財を成す人が多いように感じました。
  • それも、私が行ったのはミンダナオ島の北部なので、外国人はほとんど来ない地域です。なので、フィリピン人相手の国内消費で財を成せるようです。
  • 全体的に、日本よりも物価は高いです。日本と同一の
    商品が1.5倍くらいです。(日給700円ですが)
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    商店の家

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    一般的な家