『ムダな薬で収入ふえる』 新聞記事の見出しですが、昭和何年の記事でしょう?

正解は昭和42年、西暦1968年頃の産経新聞の「にっぽんの医師」シリーズの記事です。
約37年前ですね。
このシリーズで取り上げた内容は、今もって非常に参考になります。
今日テレビで報道している、最近の出来事のような見出しが、
実は40年前から同じ問題を放置していただけだった・・・
そんな【事実】を「経緯とおとなの事情」と一緒に知ることができる貴重な資料です。
今はもう発売していないので、【個人的】に全記事をPDFにして所持います。

せっかくなので、少し引用して掲載しますね。
◆名医もヤブも報酬は同じ
現行の健保制度では、じょうずな先生でも、へたな先生でも、診療費はまったく同じである。
・・・中略・・・
建築家、デザイナーなど技術を売るものはすべて、その技術の高低によって報酬がちがうのが社会通念である。
・・・中略・・・
ところが医師の場合はそうではない。医師たちもこの矛盾をなんとか解決したいと思いながらも、まだ考えあぐねている。
兵庫県伊丹市で開業している森正義医師(五三)もその矛盾を強く感じている。
(blog注 http://www.itami-med.or.jp/soshiki/kaicho.html 社団法人伊丹市医師会 7代会長 森 正義 昭和46年4月~昭和49年3月 と記録がある。)
森さんは循環器が専門。昭和十五年に大阪大学医学部を卒業、以来、第一内科で講師までつとめ三十四年に開業した。
「この不合理にたいする医師の不満は非常に大きい。親しい仲間達が集まると、よくこの不平が出る。わたしが開業したとき、教え子がいった。先生がおなかを押えても、わたしが押えても同じでんな。先生損ですな---てね」。
・・・中略・・・
日本医師会でも研究してみたようですが、完全な判定方法がなく結論は出なかった。ムダ薬を使うほど収入がふえる---おかしなことだが、健保のしくみを根本的に改革しないかぎりだめですね」森さんはあきらめている。
よい医療をすることを医師の良心だけにまかせ、経済的な裏付けをしない。これでは医療の荒廃を招きかねないのではないか。

それから37年が経ち2006年。
今と比較してみて、感覚的で十分ですので感じてみてください。
37年前と今、2つの点を結ぶ37年という時間の長さが、全てを・・・
『これでは医療の荒廃を招』いたと結論づけるだけの根拠(歴史再考)になると思います。
37年の間に、製薬会社と医師そして旧厚生省の間に何があったのか、
彼らから今まで聞かされきた全ての言葉が嘘・言い訳だったと感じると思います。
しかもナゼ嘘を言う必要があったのか、それまでも理解できていることと思います。

昔の新聞記事から、かなりの事が明瞭に見えてくることと思います。
何が真実だったのか、糸のもつれが スッ と、ほどける程に

著作権侵害ではなく、怒られないようなら、これからも歴史考察・現代比較として
引用をいくつかしてみようと思います。
引用文献 にっぽんの医師 サンケイ新聞社社会部著 定価三五〇円  発行者 村上政之
近藤俊一郎という人が数人の記者をひっぱっていき、当時としても書きずらいことを記事にしたようです。(今では圧力が強すぎて普通に不可能ですよね)
以前産経新聞に電話したとき最初に電話に出た社員の方と話したのですが、近藤俊一郎さんは社会部トップになられた後、監査役など歴任されているそうです。
ではでは。
長文読んでいただき、ありがとうございました。